「オフィスがうるさくて集中できない」——その解決の第一歩は、“何の音を、どうしたいのか”を切り分けることです。
騒音の原因は一つではありません。話し声なのか、Web会議の声なのか、機器音なのか。音が直接伝わっているのか、壁や天井で反響しているのか。
そして、完全に遮りたいのか、気になりにくくできれば十分なのか。ここを曖昧にしたまま「とりあえず吸音材」を置いても、期待した効果は出ません。
本記事は、オフィスの音問題を原因から整理し、工事なしの対策から本格的な施工までを一つの地図にまとめた総合ガイドです。
オフィスで騒音問題が起こる主な原因
オフィスの騒音は「音源」と「伝わり方」の掛け合わせで起こります。誰の声・何の音か(音源)と、
直接届くのか/反響して広がるのか(伝わり方)を分けて把握すると、打つべき対策が定まります。
まず、オフィスで挙がりやすい音の出どころを整理します。多くの職場では、単独の原因ではなく複数が重なって「なんとなくうるさい」状態になっています。
重要なのは、「うるさい」の中身が反射(響き)なのか、伝搬(届く音)なのかで有効な対策が変わる点です。
響きが主因なら吸音、届く音を止めたいなら遮る・距離をとる、という具合に方向性が分かれます。次章でこの用語を正確に押さえておきましょう。
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まず知っておきたい「防音・吸音・遮音」の違い
防音は音の問題を減らす取り組み全体の総称、吸音は音を吸収して反射・残響を減らすこと、遮音は音を跳ね返して透過を防ぐこと。
吸音と遮音は目的が異なり、「吸音材を置けば聞こえなくなる」わけではありません。
実務では、吸音と遮音を組み合わせるのが基本です。会議室のように「中の会話を外に漏らしたくない」場合は遮る発想が中心になり、
オープンフロアの「ざわつき・こもり」を抑えたい場合は吸音が中心になります。
遮音材の扱いは
遮音シートの貼り方|防音効果がないときの解決策とは?
でも触れています。
よくある誤解
「吸音=完全に聞こえなくする」ではありません。吸音は主に反射・残響を減らして聞き取りやすさや静けさを改善する手段です。
壁越し・扉越しの音を止めたいなら、遮音や建築的な対策が必要になります。
音の悩みを「6つの軸」で切り分ける ― 対策を決める前の整理
対策選びで迷う原因は、悩みが漠然としているからです。①音源/②伝わり方/③反響/④距離/⑤空間の区切り/⑥求める静けさのレベル——
この6軸で分解すると、必要な打ち手が自動的に絞り込まれます。
オフィスの音を分解する6つの軸
この6軸を、次の順番でたどると「工事なしで足りるのか、施工まで必要か」まで見当がつきます。
- STEP 1その音は何か?話し声/電話・Web会議/機器音/来客・生活音 のどれかを特定する。
- STEP 2響いている? 伝わっている?こもる・反響するなら「吸音」寄り。届く・漏れるなら「遮る・距離・区切り」寄り。
- STEP 3どこまで静かにしたい?完全に遮断したい → 遮音・建築的対策。気になりにくくしたい → 吸音・レイアウト・パーテーション。
- STEP 4工事はできる?賃貸・原状回復・スピード重視 → 工事不要の製品対応。区画を新設・変更 → 施工を検討。
- STEP 5対策候補が決まる→ 卓上パネル/吸音材/吸音パーテーション/レイアウト変更/固定間仕切り・内装工事。
※ 実際には複数の悩みが重なります。もっとも困っている音から順に、この流れを当てはめてください。
オフィスの騒音対策7選 ― 向く問題・限界・工事の有無
どの対策にも得意な悩みと限界があります。「万能な一手」は存在しません。以下の7つを、自社の音源・工事可否と照らして組み合わせてください。
1〜6は主に工事なしで着手できる対策、7は施工を伴う対策です。多くのオフィスは1〜6の組み合わせで体感を改善できますが、
「会議内容の漏れをできる限り抑えたい」など、高い遮音性が求められる場合は7の領域になります。レイアウトの基本形は
オフィスデスクの基本レイアウト5種類
が参考になります。
騒音の種類から選ぶ ― 悩み別の判断表
「悩み → 考えられる原因 → 対策の考え方 → 候補」の順に当てはめると、迷わず候補を絞れます。まずは自社に近い行を探してください。
会議室まわりの音漏れは
会議室の音漏れ防止策3選|工事不要の簡単な方法もご紹介、
「会話の内容を分かりにくくする」発想は
サウンドマスキングとは?活用方法も解説
で個別に解説しています。
工事をせずにオフィスの騒音対策をする方法
賃貸・小規模オフィスや「まず試したい」段階では、家具配置 → ゾーニング → 卓上パネル → 吸音材 → 可動式・吸音パーテーションの順で、
負担の軽いものから積み上げるのが現実的です。工事や原状回復の心配なく着手できます。
- 家具配置の最適化:通話席・複合機を人の動線や集中席から離す。既存資産だけで効果が出る場合があります。
- ゾーニング:作業/会話/通話のエリアをゆるやかに分け、音の通り道を減らす。
- 卓上吸音パネル:個席の手元やWeb会議の声を、席まわりで和らげる。
- 吸音材・吸音パネル:反響・こもりが強い空間の響きを抑える。設置の位置と量が効果を左右します。
- 可動式・吸音パーテーション:エリアを面で区切りつつ、音の直進を緩和。配置替えにも追従しやすい。
「吸音材を置いたのに効かない」と感じる場合、多くは設置量・位置・対象の音のミスマッチです。原因は
吸音材の効果がないときに確認すべきポイント3つ
にまとめています。区切り用の製品を探す場合は、置くだけで使える
吸音パーテーション、
席まわり中心なら
吸音デスクパーテーション、
響き対策には
吸音材・パネル
が候補です。
工事なしで音環境を見直したい方へ
置くだけで導入でき、レイアウト変更にも合わせやすい吸音パーテーションを取り揃えています。サイズ・連結数から選べます。
吸音パーテーションを使ったオフィスの音環境改善
吸音パーテーションは、一般的なパーテーションの「区切る」機能に、表面での吸音を加えた製品です。
エリアを分けながら反響やざわつきを抑えたい場面に向きますが、天井までは塞がないため完全な遮音・防音ではありません。
一般パーテーションとの違い
通常のローパーテーションは主に視線・動線の区切りが目的です。吸音パーテーションは表面材で音を吸収し、
面での反射や音の直進を和らげる点が異なります。「区切り+響きの低減」を1つでまかないたいときに効果的です。
向く状況・設置の考え方
- 向く状況:オープンフロアのざわつき緩和、通話・集中エリアのゆるやかな仕切り、来客動線と執務席の分離。
- 設置場所:音源と受け手の間、または区切りたいエリアの境界に配置する。
- 高さ・配置:座位/立位のどちらの音を対象にするかで必要な高さが変わる。面積が小さい・隙間が多いほど効果は限定的。
吸音パーテーションで解決しにくいこと
「置けば完全防音」ではありません。壁・扉越しの音の遮断、隣室への完全な非漏洩、低音の抑制などは、
パーテーション単体では対応しきれない領域です。要件が高い場合は遮音・施工の検討が必要になります。
高さ選びは
事務所に設置するパーテーションの高さの種類を解説、
素材の違いは
ローパーテーションにはどんな素材がある?、
転倒防止・固定は
ローパーテーションの固定方法
が参考になります。集中・通話を空間ごと分けたい場合は
個室・集中ブース
も選択肢です。
吸音パーテーション「EasyWall(イージーウォール)」という選択肢
EasyWallは、パーテーションラボ(運営:アイピック株式会社)のオリジナル吸音パーテーションです。
工事不要の自立設置で、パネルを連結して面を広げられるため、レイアウト変更の多いオフィスでも扱いやすい製品です。
EasyWallは、当社サービスサイトで「防音・吸音パーテーション」として案内している自社製品です。本記事では、吸音と遮音の違いを明確にするため、基本的に「吸音パーテーション」と表記します。
IT企業や金融機関などでの採用実績があります。公式通販で確認できる仕様は次のとおりです。
EasyWallが適する課題
- 工事をせずに、席・エリアまわりの音と視線を同時に和らげたい。
- Web会議・通話の声が周囲に広がるのを抑えたい。
- 組織変更や増員でレイアウトが変わりやすく、動かせる仕切りが欲しい。
EasyWallだけでは対応しにくい課題
会議内容の漏れをできる限り抑えたい、隣室への音の伝わりを抑えたい、低音への対策が必要——といった高い遮音性が要件の場合は、自立パーテーション単体では不十分です。
その場合は後述の施工・内装工事を検討してください。
EasyWallの仕様・価格を確認する
サイズ(H1500/H1800)と連結数、カラーを商品ページで比較できます。まずは人気の3連タイプから。
施工を含む本格的な対策が必要なケース
製品の設置だけでは届かない要件——空間の新設・分割、高い遮音性が求められる対策、レイアウト変更を伴う対策——は、
固定間仕切りやオフィス内装工事の領域です。判断に迷う場合は、製品選定から施工までまとめて相談するのが近道です。
次のようなケースは、工事を含む対策を検討する価値があります。
- 固定式パーテーションで空間をしっかり分割したい。
- 会議室・応接室・個室を新設したい。
- 増床・移転・組織変更でオフィスレイアウトごと見直す。
- 製品を置くだけでは、音や区画の要件を満たしにくい。
- 会議の機密性など、より高い遮音性が必要。
- 何が最適か判断できず、製品選定から施工まで一括で相談したい。
パーテーションラボの運営元であるアイピック株式会社は、国内に自社工場を構えるパーテーション専門メーカーで、
年間5,000件、累計120,000件の納入実績があります。設置工事・移設工事・オフィスレイアウト作成まで対応しており、
製品購入と施工の両面から現場に合った提案ができるのが強みです。
補足
具体的な施工内容・対応エリア・工法・費用・納期は、現場条件によって異なります。施工によって騒音問題が必ず解決すると断定はできないため、
まずは状況を共有いただいたうえでの個別確認をおすすめします。参考として
パーテーション設置工事・
オフィスレイアウト・
施工事例
もご覧いただけます。
施工・オフィス内装工事を相談したい方へ
固定間仕切りの新設、会議室・個室づくり、レイアウト変更を含む対策まで。お見積もり・ご相談を受け付けています。現場の条件やご要望を確認しながら、適した方法をご提案します。
オフィスの騒音対策で失敗しないためのポイント
失敗の多くは用語の混同と、原因の未特定から起こります。以下を押さえるだけで、無駄な出費と「効かない対策」を避けられます。
- 吸音と遮音を混同しない:響きを抑えたいのか、音を遮りたいのかで選ぶ製品が変わる。
- 「聞こえる」と「響く」を区別する:伝搬の問題か反射の問題かで打ち手が正反対になる。
- 音源を先に特定する:何の音かを決めてから対策を選ぶ。
- 対策範囲を明確にする:フロア全体か、特定エリアか、個席かで規模が変わる。
- 高さだけでなく配置・面積で考える:仕切りは隙間が多いほど効果が落ちる。
- 完全な静けさが要件なら建築的対策も視野に:製品だけで無理に解決しようとしない。
- 導入前後で体感を確認する:一度に完璧を狙わず、段階的に見直す。
吸音材が効かない典型例は
吸音材の効果がないときに確認すべきポイント3つ、
高さの選び方は
パーテーションの高さの種類
を参照してください。
オフィスの騒音対策に関するよくある質問
Q. パーテーションだけでオフィスを防音できますか?
A. 自立式のパーテーションは音の直進や反射を和らげますが、天井まで塞がないため完全な防音・遮音はできません。会議内容の非漏洩など高い要件は、遮音や施工を組み合わせる必要があります。
Q. 吸音と防音、どちらを選べばよいですか?
A. 「響き・こもり・ざわつき」を抑えたいなら吸音、「音の透過や漏れを抑えたい」場合は遮音を中心に考えます。多くのオフィスは両者の併用が現実的です。
Q. 周囲の話し声が気になります。まず何をすべきですか?
A. 音源(誰の会話か)と場所を特定し、レイアウトの見直しやエリアの区切りから着手するのが効果的です。席まわり中心なら卓上パネルや吸音パーテーションが候補になります。
Q. Web会議・電話の声を周囲に広げたくありません。
A. 通話を空間・面で分けるのが基本です。集中/Web会議スペースの新設、卓上吸音パネル、吸音パーテーションでの区切りが選択肢になります。
Q. 吸音パーテーションはどこに置くと効果的ですか?
A. 音源と受け手の間、または区切りたいエリアの境界に、隙間を減らして配置します。対象が座位か立位かで必要な高さも変わります。
Q. 賃貸オフィスでも対策できますか?
A. はい。家具配置・ゾーニング・卓上パネル・吸音材・自立式の吸音パーテーションなど、工事不要で原状回復の心配が少ない方法から始められます。
Q. 製品を買うべきか、施工を相談すべきか迷います。
A. 「工事なしでエリアや席まわりを改善したい」なら製品、「空間の新設・分割や高い遮音性が必要」なら施工が向きます。判断が難しい場合は、製品選定から施工まで一括でご相談ください。
まとめ|オフィスの騒音は「音の原因」に合わせて対策しよう
オフィスの騒音対策に万能の一手はありません。まず何の音を、どうしたいのかを6つの軸で切り分け、
響きなら吸音、伝わる音なら遮る・距離・区切り、という方向性を決めることが出発点です。
そのうえで、工事なしで着手できる製品対策から、空間そのものを変える施工まで、要件に応じて選び分けてください。
工事なしで対応
製品で解決したい
レイアウト変更/吸音材/卓上パネル/吸音パーテーション(EasyWall)などで、席・エリアの音環境を見直す。
施工を伴う対策
空間から変えたい
固定間仕切りの新設、会議室・個室づくり、レイアウト変更を含む本格的な対策。専門メーカーに相談する。
次の一歩を選んでください
課題に合わせて、製品から選ぶか、施工を含めて相談するかを選べます。
※本記事の製品仕様・価格・実績は、パーテーションラボ通販サイト・サービスサイトおよび運営会社アイピック株式会社の公式情報(確認時点)に基づいています。
価格・在庫・仕様は変更される場合があるため、最新情報は各商品ページをご確認ください。施工内容・対応エリア・工法・費用・納期は現場条件により異なります。





















