オフィスの電話は、業務である以上なくすことはできません。だからこそ「声が大きい人」の問題として片づけるのではなく、電話の量・席の配置・室内の音環境をセットで見直すのが解決の近道です。
本記事は、一般オフィスで業務上どうしても発生する電話の声を、周囲の集中を妨げないように整える方法を、運用から施工までの候補として段階的に整理します。
音対策全体の考え方は
オフィスの騒音対策完全ガイド
を、製品の選び方は
吸音パーテーションの選び方
をご覧ください。
- オフィスで電話の声が気になりやすいのはなぜ?
- まず確認したい|電話の声が問題になる4つの条件
- 対策は「人」ではなく「業務と空間」から考える
- すぐできる対策|電話席と集中席の配置を見直す
- 電話の多い部署はゾーニングで分ける
- 吸音材・卓上パネルで席まわりの音環境を整える
- 電話席を吸音パーテーションで区切る
- 電話量が多い場合は通話エリア・個室ブースも検討
- 電話量 × オフィス状況|対策レベル判断マトリクス
- 自社に合う対策を選ぶ簡易診断
- 電話環境チェックシート|自社の状況を棚卸しする
- 電話の声対策でよくある失敗
- レイアウト変更しやすい対策ならEasyWallという選択肢
- 製品だけでは解決しにくい場合はオフィス内装・パーテーション施工も検討
- オフィスの電話の声対策に関するよくある質問
- まとめ|電話をなくすのではなく、業務と音環境を分けて考えよう
オフィスで電話の声が気になりやすいのはなぜ?
まず結論
電話の声が気になりやすいのは、話し続ける音が、静かな作業と同じ空間で発生しているから。声の大小だけの問題ではなく、業務・席配置・音環境が重なって生じます。
電話の声が目立ちやすい背景には、いくつかの共通点があります。
- 継続的な発話:会話が一方通行で続くため、断続的な話し声より意識に残りやすい。
- 複数の同時通話:営業・サポートなどでは複数人が同時に話し、声が重なる。
- 静かな作業との同居:集中作業の席と通話席が同じフロアにあると、コントラストで気になりやすい。
- 反響:硬い床・壁・天井が多いと、声が響いて広がりやすい。
※ 集中力や健康への影響には個人差があり、一律に断定はできません。ここでは「気になりやすい条件」を整理する目的にとどめます。
まず確認したい|電話の声が問題になる4つの条件
まず結論
対策を決める前に、①電話量 ②電話席の位置 ③受け手との位置関係 ④室内環境を確認します。この4条件がそろえば、打つべき対策の方向が見えます。
対策は「人」ではなく「業務と空間」から考える
まず結論
「声が大きい人」への注意だけでは、電話量が多い職場は解決しません。運用 → 席配置 → ゾーニング → 吸音・パーテーション → ブース → 施工と、負担の軽い対策から段階的に検討するのが現実的です。
※ 軽い対策から段階的に検討する考え方です。必ずこの順で進める必要はなく、電話量や状況に応じて複数を組み合わせても構いません。
すぐできる対策|電話席と集中席の配置を見直す
まず結論
まずお金をかけずにできるのが、通話の多い席を把握し、集中席との混在を減らすこと。通話席がフロア内に分散していると、複数の場所から声が発生するため、静かなエリアをつくりにくくなります。
電
電
集
集
集
通話席(電)と集中席(集)が入り混じり、声が全体に広がる。
電話ゾーン
集中ゾーン
電
電
集
集
通話席をまとめ、集中席と分けて境界に面を設ける。
まずは通話が多い人・席を洗い出し、可能な範囲で近くにまとめます。席を大きく動かせない場合でも、集中席との間に吸音パーテーションなどの面を設けることも、対策の候補になります。オフィスのレイアウト自体を見直すなら
オフィスデスクの基本レイアウト5種類
も参考になります。
電話の多い部署はゾーニングで分ける
まず結論
通話が業務の中心となる部署は、電話エリアと集中エリアを分けることで、通話音の影響を受ける範囲を整理しやすくなります。個々の席対策だけでなく、エリア単位で考える方法も候補になります。
営業・サポートなど通話が多い部署は「電話エリア」、企画・開発など集中作業が多い部署は「集中エリア」といった具合に、業務特性でまとめます。エリアの境界に面をつくると、声の広がりを抑えつつ、それぞれの働き方に合った環境を保ちやすくなります。ゾーニングやレイアウト設計全体の詳細は、別途扱います。
吸音材・卓上パネルで席まわりの音環境を整える
まず結論
反響やこもりが気になるなら、吸音材・吸音パネルで響きを抑えます。手元の通話には卓上パネルが候補。ただし吸音は響きを抑えるもので、音を遮断する遮音とは別物です。
吸音材は反射・残響の低減に活用されます。卓上パネルは席まわりを区切りながら、製品によっては吸音対策にも活用できます。局所的な対策として、席配置の見直しと組み合わせて検討できます。用途に応じて
吸音材・パネル、
吸音デスクパーテーション(卓上)
から選べます。吸音と遮音の違いは
第1ピラー
で解説しています。
電話席を吸音パーテーションで区切る
まず結論
席配置を整えたうえで、電話席と集中席の間、または電話エリアの境界に面をつくると、声の直進をやわらげられます。複数席なら連結して連続した面にします。
吸音パーテーションは、通話席と集中席の位置関係を確認し、その間や電話エリアの境界に設置する方法が候補になります。電話エリアをまとめられるなら、その境界を連結型で区切る方法も検討できます。具体的な配置(L字・コの字など)の考え方は別記事で詳しく扱っており、製品としての選び方(高さ・サイズ・連結数)は
吸音パーテーションの選び方
にまとめています。
自立式は天井まで塞がないため、声を完全に遮断はできません。「気になりにくくする」ことが目的で、機密性の高い通話には別の手段が必要です。
電話量が多い場合は通話エリア・個室ブースも検討
まず結論
通話が頻繁なら、専用の通話エリアや個室・集中ブースで、通話そのものを空間として分ける方法も候補になります。囲い込みたい度合いで選びます。
短時間の通話が多いなら立ち寄り型の通話スペース、集中して長く話すなら個室・集中ブース、というように使い方で選び分けます。囲い込みが必要なら
個室・集中ブース
も候補です。なお、常時多数が通話するコールセンターは要件が大きく異なります。専用の考え方は
コールセンターで隣の席がうるさい!集中するための対策3選
を参照してください(本記事は一般オフィス向けです)。
電話量 × オフィス状況|対策レベル判断マトリクス
まず結論
電話量と状況の掛け合わせで、まず検討する対策の目安が変わります。絶対的な基準ではなく、判断のためのフレームとして使ってください。
| 電話量 | 状況 | まず検討する対策 | 次の選択肢 |
|---|---|---|---|
| 少ない | 一部の席だけ通話 | 席配置の見直し・卓上パネル | 必要なら吸音パーテーション |
| 中程度 | 特定の部署・時間帯に集中 | ゾーニング+吸音 | 吸音パーテーションで区切る |
| 多い | 複数人が頻繁に通話 | 通話エリア+パーテーション | 個室ブース・空間設計 |
| 非常に多い | 常時複数人が通話 | 専用レイアウトの検討 | ブース・固定間仕切り・施工 |
※ 電話量の「少ない〜非常に多い」は目安です。実際は業務内容・フロア条件により変わります。自社の状況に近い行を出発点にしてください。
自社に合う対策を選ぶ簡易診断
まず結論
上から順に答えると、候補が絞れます。条件によって結論は変わり、運用の工夫で足りる場合も、施工が適切な場合もあります。
-
1通話は一部の席だけ?一部だけなら → 席配置の見直し・卓上パネルから。多いなら次へ。
-
2電話席をまとめられる?まとめられる → 電話エリア化。難しい → 席間・境界を面で区切る。
-
3集中席と分けられる?分けられる → ゾーニング+吸音。分けにくい → 吸音パーテーションで境界をつくる。
-
4工事なしで対応したい?工事なし → 卓上パネル・吸音材・自立式の吸音パーテーション(EasyWall等)。
-
5高い遮音性が必要?必要 → 個室ブース・固定間仕切り・施工も候補に。
席替え
ゾーニング
卓上パネル
吸音材
吸音パーテーション/EasyWall
個室・集中ブース
固定間仕切り/施工
※ 特定の製品を前提にした診断ではありません。条件に応じて、卓上・吸音材・施工など異なる結論になります。
電話環境チェックシート|自社の状況を棚卸しする
まず結論
対策を選ぶ前に、次の項目を確認すると、必要なレベルがはっきりします。製品選定は選び方の記事の選定シート、電話環境の棚卸しはこのシート、と役割が分かれます。
「高い遮音性が必要」「常時多数が通話」に当てはまるなら、製品だけで抱え込まず、施工も候補に入れてください。
電話の声対策でよくある失敗
まず結論
電話対策の失敗は、個人の問題にすり替えるか、量と空間を把握せず単発の製品を買うことに集約されます。
- 個人だけを注意する:業務上必要な通話を我慢させても解決しない。
- 混在のまま製品を足す:席配置がばらばらのまま対策しても効きにくい。
- 1枚で全体を解決しようとする:広い範囲を1枚ではカバーできない。
- 吸音=完全防音と誤解する:吸音は響きを抑えるもので、遮断はしない。
- 電話量を把握せず購入する:必要なレベルがわからないまま製品を選んでいる。
- 業務連携・動線を無視する:区切りすぎて、チームの連携や通路を妨げる。
- 高い遮音性が必要なのに自立式のみ:機密通話は配置だけでは届かない。
レイアウト変更しやすい対策ならEasyWallという選択肢
まず結論
電話席やエリアの区切りを後から変えたいなら、工事不要で動かせる自立式が向きます。EasyWall(運営:アイピック株式会社のオリジナル製品)は連結して面をつくれ、レイアウト変更に追従しやすい製品です。
- 工事不要の自立式で、電話席・電話エリアの区切りを試しやすい。
- 2連・3連・追加パネルで連結でき、席数や配置の変化に合わせやすい。
- 組織変更でレイアウトが変わっても、動かして組み替えられる。
※ 席まわりだけなら卓上型、響き対策なら吸音材、機密性の高い通話が多いなら個室ブースが適する場合もあります。EasyWallありきではなく、電話環境に合うものを選んでください。仕様・価格は商品ページでご確認ください。
製品だけでは解決しにくい場合はオフィス内装・パーテーション施工も検討
まず結論
通話量が非常に多い、高い遮音性が求められる、区画そのものを変えたい——といった要件は、製品では届きません。固定間仕切りやオフィス内装工事の領域です。
次のようなケースは、施工を含む対策が向いています。
- 専用の通話エリアや会議室・個室を新設したい。
- 固定式パーテーションで区画をつくりたい。
- 高い遮音性が求められる通話・会議がある。
- 移転・増床でオフィス全体を再構成する。
パーテーションラボの運営元アイピック株式会社は、国内に自社工場を構える専門メーカーで、年間5,000件、累計120,000件の納入実績があります。製品と施工の両面から、現場条件に合わせた提案が可能です。施工内容・対応エリア・工法・費用・納期は現場により異なるため、状況を共有のうえご相談ください。
オフィスの電話の声対策に関するよくある質問
Q. 声が大きい人に注意すればよいのでは?
A. 業務上の通話は減らせないため、個人への注意だけでは解決しにくいです。電話量・席配置・音環境をセットで整えるほうが、結果的に全員の負担が減ります。
Q. まず席替えとパーテーション、どちらから?
A. まず通話席を把握し、可能なら集中席と分ける席配置の見直しが先です。そのうえで、分けきれない部分を吸音パーテーションで区切ると効率的です。
Q. 電話席は集約したほうがよいですか?
A. 通話が散らばっているほど声はフロア全体に広がります。可能な範囲で電話席をまとめ、集中エリアと分ける方法が候補になります。
Q. 卓上タイプと自立タイプ、どちらがよいですか?
A. 手元の通話や個席中心なら卓上タイプ、席間・エリアを区切るなら自立タイプが向きます。両方を併用することもあります。
Q. ブースは必要ですか?
A. 通話量が多い、集中して長く話す、囲い込みたい、という場合は個室・集中ブースが候補です。短時間の通話が中心ならパーテーションで足りることもあります。
Q. 電話の声を完全に聞こえなくできますか?
A. 自立式の吸音パーテーションでは完全に遮断はできません。「気になりにくくする」対策です。高い遮音性が必要な場合は、固定間仕切りや施工を検討してください。
Q. 施工を相談する目安は?
A. 常時多数が通話する、高い遮音性が必要、通話エリアや個室を新設したい、移転を伴う——といった場合は、製品より施工が適することがあります。判断に迷う場合もご相談いただけます。
まとめ|電話をなくすのではなく、業務と音環境を分けて考えよう
オフィスの電話の声は、なくすのではなく、業務と空間を分けて整えるのが現実的です。まず電話量と席配置を把握し、運用・席配置・ゾーニングといったお金をかけない対策から着手。そのうえで、分けきれない部分を吸音材・卓上パネル・吸音パーテーションで区切り、通話量が多ければ通話エリアや個室ブースへ。高い遮音性が必要なら施工も候補になります。電話を「個人の声の問題」にせず、業務と音環境の設計として捉えることが、周囲の集中を守る近道です。
※本記事の製品仕様・実績は、パーテーションラボ通販サイト・サービスサイトおよび運営会社アイピック株式会社の公式情報(確認時点)に基づきます。仕様・価格・在庫は変更される場合があるため、最新情報は各商品ページをご確認ください。対策の効果は、電話量・席配置・製品・室内条件などにより異なります。施工内容・対応エリア・工法・費用・納期は現場条件により異なります。




















